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戦略経営者コラム 2024年12月

万全のセキュリティに!世界見据えた義肢メーカーの戦略

義肢を必要とする人だけでなく、多方面から注目を集める愛和義肢製作所。
義肢製作の技術を追求しつづけてきた同社では、3DプリンタやAI 技術の導入など進め、ユーザーの希望に寄り添える体制を整えてきた。
業界に大きな影響を与えつづけている同社を率いるのは、創業者の林伸太郎社長。未来を見据えた経営戦略とHPについて聞いた。

デジタル化を進める現場

──事業内容は?
林 型が決まった義肢の大量生産はせず、使う方に合わせたこだわりのオーダーメイド義肢を製作しています。なかでも、可動式義肢X-Finger®に関しては、製造や開発を請け負う正規製造元であることを生かし、適合性の高いご提案ができる体制を整えています。近年は3DプリンタやAI技術を導入し、製作スピードを上げることで、安定した供給を目指しています。また、技術の発展や後継の育成に向けて、講演活動や研修にも力を入れています。

──技術革新に注力する理由は。
林 現状、義肢製作の世界は、職人の技術に頼る部分が大きく、同じ義肢の再製作は難しいとされています。そのため製作データのデジタル化に力を入れてきました。データを活用することで、後継者の育成やより良いものづくりの基盤を整えたいと考えています。

 10 年ほど前にテレビ番組に取り上げていただき、多くの問い合わせをいただきました。ですが、需要の高まりに追いつけず、義肢をお渡しできるまで何年もお待ちいただくことになってしまいました。まさに、職人頼みの生産体制に限界を感じた出来事でした。また、コロナ禍で義肢を必要とされる方と対面でお

会いできる機会が減り、リモートでいかに使い手にフィットした義肢作りができるかを追求するためにも、デジタル化は必須でした。

──デジタル技術が義肢製作に及ぼす影響は?

林 ものづくりは、良いものをつくるだけでは50点。その技術やノウハウを継承できて100点だと考えています。当社が、他社や義肢装具士養成校へと積極的に技術を公開しているのも、こうした考えに基づいています。

 デジタル化によって、同じ義肢の再製作が可能になっただけではなく、3DプリンタやAI技術など、革新的なツールを活用することで、1000の工程を1にまで短縮できる可能性を秘めています。

 AI技術は職人と相反するものではありません。AIに必要な情報をインプットしたり選択したりするのは職人にしかできない領域です。

──今後の展望は?
林 デジタル化のさらなる促進です。当社を、アジアにおける義肢装具製作のデータセンターにまで成長させて、場所という制約にとらわれることなく、義肢を必要とする方に届けられる体制を整えたいと考えています。

 また、義肢装具の財団を立ち上げたいという夢もあります。義肢を必要とされる方の背景はさまざまであり、必要な義肢のカタチや機能も異なります。大量生産して商業化することが難しい世界だからこそ、行政の助成や保険制度からこぼれ落ちてしまう方のための財団を作りたいですね。

安全性と信頼性を担保

──HP制作のきっかけは?
林 当社のHPは、もともと私がワードプレスを使って編集していました。ですが、テレビの番組で取り上げられてから2年ほど経った頃、海外から攻撃を受けるようになりました。サイト内にリンクが勝手に埋め込まれ、修正しては攻撃されを繰り返していました。セキュリティ対策が必要になってきたタイミングで考えたのが、HPのリニューアルです。

 お客さまの個人情報を扱う業種ですから、安全性や信頼性を担保するために、プライバシーマークや国際規格に基づくISMS認証なども導入しています。

──アイ・モバイルとの出会いは?

林 はじめはデザイン重視のHP制作会社に依頼したこともあったのですが、セキュリティ面で大きな課題を感じ、セキュリティ対策における専門性が高く、信頼できる会社に依頼したいと考えました。顧問の税理士法人フカサクの河内達哉先生に相談したところ、アイ・モバイルさんを紹介いただきました。

──HPで重視したことは?

林  何よりも安全性でした。常に進化するテクノロジーに合わせてセキュリティ対策などに目を配りアップデートさせていくには、個人では限界があります。
アイ・モバイルさんなら、セキュリティ面での万全の対策を施していただけます。

必要な方に情報を届けるHPに

── リニューアル後の変化は?
林 外部からのサイバー攻撃は一切なくなりました。外部の専門家に任せることで、本業である義肢製作の業務に集中できるので、経営面でも大きなプラスになったと感じています。また、リニューアルしたことで、問い合わせ対応についても効率化が進みました。

 当社では、問い合わせのほぼ100%が義肢製作のご依頼です。そういう意味では、広く拡散して見込み顧客を獲得することがHPの目的ではないと思っており、HP制作時においても、この点を非常に重視しました。本当に大切なのは、価値観や方針のすり合わせができている状況を作ること。そのために、写真の使い方やデザイン、テキストの言葉遣いに関して、議論に議論を重ね検討しました。義肢を必要とされる方に当社の姿勢や技術などをきちんと伝えたいのです。その結果は確実に出ていると感じています。

──今後の展望は?
林 HPのことをほとんど知らない私たちでも更新ができるほど簡単だし、更新を手伝って欲しいときには、サポートセンターに問い合わせもできるので、安心です。今まではメールで問い合わせをしていたのですが、電話でも大丈夫ということなので、今後は電話での支援もお願いしようかなと思っています。
──今後の活用展望は?
林 グローバル展開を予定していますので、英語や中国語対応のHP制作にも取り組んでいきたいと思っています。

(取材協力・税理士法人フカサク

株式会社愛和義肢製作所
TEL:0120-156-815
住所
〒176-0006 東京都練馬区栄町19-4

URL:https://www.aiwa-gishi.jp/

(インタビュー・構成/アイ・モバイル 株式会社

株式会社TKC発行のビジネス情報誌「戦略経営者」に掲載された連載記事を掲載しております。

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この度は取材にご協力いただきまして、ありがとうございました。

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